シールド用後方設備

近年、シールドの現場でも長距離、小口径、急勾配等の難工事が多くなってきました。
資材搬送の分野でも、長距離シールドの場合は多編成での自動搬送システム、小口径の場合は低床型や 高摩擦車輪等、より小型の高性能サーボロコの開発を行なってきました。

当社では、近年急増した５０／１０００以上の急勾配シールドに対応するため、軌条にラックを設置したピンラックサーボロコを開発致しました。

ピンラックサーボは従来のサーボロコに、ピンラック用スプロケットを装備し、平坦部では通常の車輪の駆動力、急勾配部ではこれに併せてスプロケットの駆動力で牽引力を得るものです。

平坦部と急勾配部の切り替えはセンサー感知で自動的に行うため、オペレーターの負担が 少なく、ピンラックが逸走防止の歯止めの役割も兼ねていますので、逸走の心配が無く安全です。

長年培ってきたサーボロコの技術を生かした、高速、低速運転の選択可能な変速式サーボロコです。

高速運転時には最高４０ｋｍ／ｈと迅速な移動が可能で、作業時、点検時等の低速運転時には、９ｋｍ／ｈ迄の事前に設定した任意の速度で定速運転をします。
また、高速、低速の切 り替えは操作盤上のスイッチで簡単に行なうことができ、高速低速とも運転操作は同じですので、混乱することもありません。

モーターには４５Kwサーボモーターを2台使用し、安定した走行を提供します。又、車輪は高摩擦車輪を採用、制動時の制動距離を大幅に短縮し安全確保に努めました。

ブレーキ類には、モーター特性でありモーター自体がブレーキ装置としての役割を発揮するサーボブレーキ、確実な制動力を発揮する油圧ディスクブレーキ、パーキングブレーキとして油圧開放式のバネ制動ブレーキの他に、オプションとしてトラックブレーキも設置可能です。
「万が一」が起きないように、複数系統の制動装置で更に安全性を高めています。

レールゲージは１０６７ｍｍ、１４３５ｍｍ共に対応可能ですので、国内のほとんどの鉄道で使用可能です。

もちろんバッテリー駆動ですので、最大の特徴である静粛性、環境性は際立っており、密閉空間や住宅街での深夜作業においても安全で静かに確実な作業が可能です。